動力を伝えるしくみを調べよう資料

<板書例>

 

 速 さ

 速い   遅い

 自転車の変速

 低速< 高速

 ペダルを   回す回数

 多い少ない

 回転数

 多い  少ない

 進む距離

  短い< 長い

 トルク(力)

 小さい<大きい

 こぐ力

         

○ギヤボックスの仕組みに関わって

・歯数の少ない歯車で、歯数の多い歯車を回す→回転数は減少する

大きなトルク(力)をだせる。

歯車を、多段に組み合わせるほど回転数は遅く、トルクは大きくなる。

                                          →トルクは大きくなる。

2 機械要素 … ねじ、歯車のように機械を構成するための共通な部品
   機械材料「技術とものづくり」学習ノートP6〜10
  
・金属材料(鉄鋼材料、銅合金、アルミニウム合金、ブリキ板、亜鉛鉄板など)が使われることが多い。 
   
用途によって、非金属材料(合成樹脂、ゴム、皮革、布など)が使われる。
    最近では、新素材(アモルファス、形状記憶合金、セラミックスなど)も利用されている。

3 動力を伝えていく仕組み
○機械の運動の種類…回転運動、直線運動、球面運動、螺旋運動
              →
複雑な動きも、すべてこの4つに大別できる。
○直接接触による伝達… 摩擦車、歯車、カム
○間接接触による伝達… ①軸、軸継手、軸受け ②リンク装置  
                ③ベルト、ベルト車  
                ④チェーン、チェーン歯車

                ⑤液体継手、トルクコンバーター、電磁クラッチなど

4 歯車(ギヤ)について
旧版学習ノート 機械P4 「3、機械の仕組み」が活用できる。
○歯車の種類(※教科書の図や技術室にある機械などを見せながら)
  平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ウオームギヤ、ラックとピニオン、
  差動歯車(遊星歯車装置、ディファレンシャルギヤ、オートマチック
トランスミッション)など

5 ベルト、チェーン伝導
旧版学習ノート 機械P4 「3、機械の仕組み」が活用できる。
○離れた回転軸に動力を伝える。
○チェーーンはVベルトと比べ確実に大きな動力を伝達できる。

  しかし、重みがあるため、高速回転は適さない。騒音、振動が大きい。
○チェーン伝導は潤滑油が必要。    
 
摩擦を減少させる→滑らかな動力伝達、機械部品の寿命が延びる。
○回転方向は同じだが、逆にするにはどうしたらよいか?
 
⇒ベルトを1回ねじってベルト車にかける。 

ねじ
○右ねじと左ねじがあるが、一般的には右ねじが多く使われている。

○ねじの山の形によって、JISなどで規格化されている。
○一般的には、断面が三角形をしている三角ねじが使われている。

 断面が、台形をしている台形ねじや、長方形をしている角ねじは三角ねじより摩擦が少なく強度があるので、
 工作機械の送りねじや電動用として使われている。(技術室の万力などを見せる)

ばねの種類

①コイルばね…過重のかかる方向によって圧縮と引っ張りの2種類と、ねじりコイルばねがある。
A渦巻きばね…まげ応力によりエネルギーを蓄えるばね。
         ゼンマイとして、電気エネルギーを利用しない簡単なおもちゃなどの動力に使われる。

B重ね板ばね…自動車や電車の乗り心地を良くするために使用されている。

軸受(ベアリング)
○歴史は古く、丸田のころを利用して重い石を運ぶことから発達。
○すべり軸受、転がり軸受に大別
 ①すべり軸受(ノートの模範解答では平軸受)
  水車やタービンのような、大型でかつ高速で運動する部分には必ず使用される。
  (世界最大級の望遠「すばる」などへの利用)

 ②転がり軸受…玉軸受、ころ軸受
    比較的小型な部品であり、規格化されたものが多く利用されている。
  ロボットなどはこれを利用。寿命には限度があり、高速で短い。

○軸受には、潤滑油が必要不可欠。
 
軸と軸受の歴史は、摩擦と潤滑の歴史→摩擦によって失われるエネルギーをいかに少なくするか

潤滑油<参考>
○役割 ①摩擦による損失馬力を防ぐ。機械の効率を向上させ、燃料や電飾の消費量増加を防ぐ。
     ②機械の振動や騒音を防ぎ、機械の寿命を長くする。摩耗による機械の精度低下を防ぐ。
     ③機械の運転が、高速、高加重の場合には「焼付」を防ぐ

○種類①鉱物油 
     ・
マシン油  …
一般的な機械の軸受や摩擦部分に使用される。
     ・
スピンドル油…
もっとも粘度が低い潤滑油小型電動機や工作機械の高速で軽加重の軸受の潤滑油

     ・シリンダ油、内燃機関用潤滑油   …高温のシリンダ潤滑
    ②
グリース…
油と石鹸を混ぜたもの。ころがり軸受、歯車、チェーン伝導などの潤滑に用いられる。

      ③脂肪油(菜種油、鯨油)…動植物の油を利用、使用量は少ない。

   ④合成油       …脂肪油を原料に科学的に合成した潤滑油
    ⑤個体潤滑剤     … 黒鉛や、二酸化モリブテン 不通の潤滑油を使えない場合に使用される。
10 リンク装置

  旧版学習ノート 機械P6~ 「リンク装置についてまとめてみよう」が活用できる。

○回転運動をする節 クランク  
crank

   ○揺動運動をする節 てこ        lever

   ○中継ぎの節    連接棒      connector

   ○固定している節  固定        base

 ①てこクランク          …自転車のペダル

 ②平行クランク(2組クランク機構)…自動車のワイパー 

③両てこ機構(2組てこ機構)   …パワーシャベル    <学習ノート機械 P6 ①の図>

④スライダクランク機構  

往復スライダクランク機構 … エンジンのピストン部分の動き、往復ポンプ、ミシンの針の動き

揺動スライダクランク機構 … 筒ふり機関、早戻り機構

⑤その他

  ○球面リンク機構(フック継ぎ手)   ○回りスライダクランク機構
11 カム

旧版学習ノート 機械P10 「カム装置についてまとめてみよう」が活用できる。
 ○カムの種類板カム、円筒カム、ななめ板カム、直動カム、エンドカム、球面カムなど

                   (参考書籍)技術家庭科実践講座  5 機械 、技術科教育実践講座刊行会、1990

                   門田和雄、図解 もの創りのための おもしろいロボット工学 2003