学習ノート「情報とコンピュータ」の活用
ワープロソフトの活用を主題材に据えた展開例
ワープロの編集作業における問題解決的な学習  全6〜8時間程度
 
1,アプリケーションソフトウェアの役割を指導する
<学習ノートP8を使いながら>
・初めて、アプリケーションソフトウェアを使わせることを前提として・・・
 
(1) まず、ハードウェアだけではただの箱にすぎないことを伝える。
(2) 次に、例えば「家」にたとえながらP8の図を説明する。
・ハード・・・基礎
・OS・・・柱など構造
・アプリ・・・システムキッチンなどの装備
(3) P8を用いて、ワードパッドを起動させ、
@アプリケーションソフトウェアは「プログラム」とも呼ぶこと、
A起動は一般的にはスタートメニューから スタートプログラム目的のソフトウェア
とたどることを確認して、一般化する。
 
2,能率良い日本語入力の方法を知らせ、目的に応じて選択して利用できるようにする
<学習ノートP9を使いながら>
(1) 日本語入力システムのオン、オフの方法を知らせ、実際にやらせて確認する。ただし、できる限りAlt+半角/全角などのキーボード上での方法を知らせ、文字入力中にいちいちマウスに手を伸ばして再びキーボードに手を戻す動作の無駄を知らせたい。
(2) まずは、(1)の@を使って、それぞれの入力方法の長所、短所を整理するとともに、ローマ字入力とかな入力の切り替え方法を確認する。
(3) HTML編集や英文メール等の予定がある場合にはローマ字入力の方が・・・あるいは、ワープロ検定を受けたい場合にはかな入力の方が・・・などと説明の上、Aを用いて選ばせる。
(4) P10(2)を用いて、文節の区切り直しと部分確定の方法を確認し、せっかく入力した労力を無駄にしない変換方法があることを実感させる。ただし、「わたしはぎじゅつ・かていかがだいすきです。」とただ入力させると、今の日本語入力システムでは、正しく漢字を当ててくるので、あえて「綿死は・・・」と学習ノートのように変換させると良い。
(5) P10右側の囲みを用い、削除方法を3種類実際に確認し、選択利用できるようにする。
                   以上ここまでが1時間扱い
3,実際に入力させながら、日本語入力ができるようにスキルを上げさせる
(1) 学習ノートP9(1)の入力文書を実際に各自に入力させる。
・本日は、入力の早さを競うのではなく、次回以降自分の力だけで日本語入力できるようにすることが目的であることを確認。
・従って、今日に限ってはたくさん質問をしても良いことにする。
・かなりスキルのある生徒には、今日しっかり教えておかないと次回以降、ずっと質問攻めにあって自分の学習に支障をきたす可能性を示唆し、クラス全体がスキルアップできるよう教師を手伝ってもらうと良い。
                          ここだけで1時間扱い
 
4,編集の「操作」方法について知らせ確認する
(1) (資料1)のようなプレーンテキストの案内文文書を用意し、全員に開かせる。
(2) 編集後の文書(資料2)を見せ、願いを持たせる。
(3) フォント、フォントサイズ、色、右揃え、中央揃えを扱う。その際、「WINDOWSの原則→範囲先指定」をおさえ、どんなソフトウェアでも通用することを伝える。
・範囲指定の方法をおさえる。
@文字単位
A文節単位
B行単位
C段落単位
Dページ単位
Eブロック単位
 
(4) 画像の挿入について扱う。
・共通の画像を用意し、挿入方法を確認しても良い。
・ネット検索で画像を検索させ、コピー&ペーストの方法を確認しても良い。その場合には、著作権について触れ、フリーの画像を探す必要性を確認し合う。
(5) 2〜3行だけ1ページに収まっていない文書(資料3)やドラッグ&ドロップで移動をして文の順序が入れ替わっている文書(資料4)などをあらかじめ準備しておき、開かせて1ページに収める方法を追究させたり、移動編集のスキルアップをさせる。
・1ページに収める方法のアイデア<例・・・たくさん出させたい>
@ ページ設定(一太郎は文書スタイル)で1ページあたりの行数を増やす。
A 文字を小さくする。
B 空白行を詰める。
C 掲載内容を絞る。・・・これは重要な考え方。まさに情報活用能力!
                          ここだけで2時間扱い
5,問題解決的な学習
「読みやすさを大切にして、読み手を意識した編集をしよう!」
(1)学習問題を確認する。(資料1を基にして案内文の編集)
学習問題「読みやすさを大切にして、読み手を意識した編集をしよう!」
<編集条件>
・ 読み手を、「おじいさん・おばあさん」「小学校高学年」に限定し、何れかを個人に選択させ、共通課題のグループ作りをする。
・ カラー印刷をするけれども、配布のコスト面から1ページに収める。
・ 社会一般に通用するレイアウトや記載内容(横書き文書の基本レイアウトや時候の挨拶を入れること、読み手に失礼のないような書き方等)
・ カットとして西穂高岳の写真と作成文書に関わるイラストを1つずつ入れる。
(2)到達度目標を示す。
・ フォントサイズの変更等のパソコンの機能を用いて上記条件を満たす編集がしてあればB
・ 読み手(高齢者向け、小学生向け)を意識して、読みやすい編集がなされてるならばA    
→時間がなければ、読みやすさは「見栄え」だけではなく、「意図が伝わりやすい文」といった内容面もあることをおさえる。
→時間があれば、個人追究の中で良い例を見つけ、全体に紹介しながら確認しても良いし、良い例と悪い例との比較から生徒に考えさせても良い。
 
(3)個人追究
・ 高齢者向けに取り組んでいる生徒の中で、老眼対策としてフォントサイズを大きくしたものの、1ページに収まりきらないという課題にぶつかっている生徒、あるいは、小学生向けでどういった平易な言葉に書き換えようかという課題にぶつかっている生徒が出たところで、一旦ストップ。次へ。
(4)グループディスカッション
 読み手の特徴を確認しよう
 
(5)追究の方向を記録させ、再び個人追究。仕上げまで。
・仕上げたものは、カラー印刷し、掲示して相互評価。
 
この段階で2〜3時間程度
 
※綴じ込みの制作記録カードに毎時間記入させていくとよい。